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白銀の墟 玄の月

全4巻のうち1~2巻が同時発売ということで、即位式正殿の儀前夜から一気に読んでやりました。
思っていたよりも阿選の起こした謀反の内情が複雑そうで、泰麒が戻ってきたから
じゃあここから攻勢だ!ってわけにはいかなそうで、まあ全体のうちの半分ですからね。

掴み切れなかった、阿選の起こした謀反の全貌を少しずつ解き明かしていく筋道かと思いきや
むしろ謎が増えて増えて(笑)
はい、わかりました。今回は出題編で、残り二冊は回答編ですね。
おかげで前二冊を読んでから毎日のように考えてますよまったく!

今回で新たに増えた謎と私の考えは続きに。


・泰麒の欺瞞と阿選
「阿選が新王である」という部分は完全に泰麒のウソっぱちだと思うんですよね。
思うんですけど、なにせ泰麒の心情が今回はまったく描写されていないので
何を思って宮殿に向かってそれをやり出したのか見えてこないうえに
「例外中の例外」がよく起きる泰麒のことだからほんと確信が持てないという(笑)
ただ、まあ阿選が王になれないと楼燦が言っていた理由は「驍宗(先王)と姓が同じだから」
という天の条理(同一姓は続いて王にはなれない)なので、阿選は王ではないのは揺らがない。
泰麒も頭を下げなかったしなあ。
阿選がそれを知らないとは思えないけれど、なら欺瞞と知ったうえであえて乗ったのは何故だろう。

泰麒が阿選に向かって、王になるには驍宗を禅譲させる必要があるから目の前に連れてこいと
まるで一休さんのようなことを言い出したのは面白かったよ!
そうだよなー、幼少期をあの時代の日本で過ごしてたら一回くらいは見てるもんなー(笑)


・阿選について
『暁の天』を見る限りは麒麟に選ばれた驍宗への嫉妬には違いないはずなのですが
玉座を手にしたらしたで、燃え尽き症候群みたいになってしまっている阿選。
 理由1:驍宗より良い治世を行おうと思ったものの、頭がいい故に早々に王に向いていないと判断。
 理由2:驍宗に嫉妬してたけど、いないならいないで張り合う相手がいなくなって意気消沈。
 理由3:『風の万里』の昇紘のように、天が自分を罰するまで放置。
 理由4:実はノープラン(後述)

どれもこれも自分勝手な理由しか思いつかない。うーん。


・阿選は単独犯か
阿選は謀反について自分の周囲の部下にも一切漏らしていません。匂わせるようなことは言いましたが
「騒ぎが起きそうだ」というだけで部下が勝手にそう解釈したとも言える。
信頼のおける側近にまで明言しなかったのだから、驍宗に貸し出した兵卒にも指示を出したのかも怪しい。
もっとも、さすがに王を斬ることには反対を示す可能性があったから言わなかったとも言えるのですが。
しかも実際、驍宗を手にかけた(であろう)集団は阿選の兵ではなく「赭甲」という出自不明の集団。
驍宗と共に鉱山まで行き、下山するときには驍宗を伴わずニヤニヤと笑いながら降りてきたと。

李齋によれば、そのような品のない連中が阿選の兵にいるのは違和感がある。
朽桟によれば、決して戦いたくないくらい恐ろしさを感じる相手。
そういう集団を阿選はどこから用意したのか、いつ接触できたのか、突拍子もないので
ひょっとしたら阿選とは繋がってないんじゃないか。
すると共犯、もしくは黒幕がいて、阿選はそれに乗っかっただけかもしれない。
騒ぎに乗じて泰麒を斬りつけたけど、ノープランだったからその後は政が滞ってる…ではあまりにもお粗末だなあ。

・赭甲=妖魔説
誰が黒幕かを考えたとき、王がいなくなって一番得をする存在は何か、と考え
別に人間である必要はないよなあ、と思いつきました。
王が玉座について善政を敷いている間は妖魔が出てこなくなる。これまで妖魔は
野生動物のような描かれ方をしているのが殆どでしたが、一部は泰麒の調伏した饕餮、陽子の持つ
水偶刀の鞘に封じられてる猿など人間を遥かに凌ぐ存在のものもいます。
国を傾かせて自分たちが表に出られるよう、奸計を用いる妖魔がいても不思議じゃないような。


・白い御髪に赤い瞳
度々挿入される、歌を口ずさみながら床に就く人物。
2巻目ラストで亡くなったとされるその人物の容姿がこう記されましたが
その言葉を出した兵卒二人がすぐに姿を消していること
直近まで世話をしていた回生が容姿について言及してないことから、どうも兵卒二人の嘘だろうと。
あの問答自体が誘導尋問っぽかったですし。
しかしあの二人が反驍宗派かと言えば違うと思います。それならわざわざ隠れて冬器を仕入れる必要はないので。
二人が李齋たちと合流しなかった理由はおそらく英章の血判状。
英章が地図の裏に署名をさせた描写で忠臣蔵を思い出したので、決起のその日まで
決して誰にも気取られないよう準備を進める必要があるのなら
署名をしていない(する場所にいなかった)李齋たちは例え忠誠が揺らいでいなかろうと接触は拒まれるはず。
下手に探られると阿選派に動きを悟られるので、亡くなったことを暗に示す情報を渡した。
なのであの二人は英章もしくは署名した人物の配下ということになります。


・鳩
これがわからない(笑)最大の謎ですよ。
頻繁に出てくるから意味がないなんてことはないはずですが、なんなんだろう。
鳩が鳴くと無気力人間が増えるようですが、無気力状態になった人たちを阿選がわざわざ
集めて自分の近くに置いているのも理由が見えてこない。
なんとなく阿選派の人間ばかりが罹患しているようにも見えますし、本当になんなんだろう。


2 Comments

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すず  

後半が楽しみです。

 今晩は。私、最初は全四巻が揃ってから読もうかな?と思ったんですが、欲望に耐えられずに一気に一&二巻を読んでしまいました~。おかげで、縁永様と同じく、いろんな謎にあれこれ考えさせられています。

>誰が黒幕かを考えたとき、王がいなくなって一番得をする存在は何か、と考え
別に人間である必要はないよなあ、と思いつきました。

これ!作者さんの壮大な創作に思い至る訳はないんですが、十二国記の世界そのものをひっくり返したいと、妖魔が考えていたとしてもおかしくないですよね。そしてそれらと繋がる?というか利用or利用される者がいたとしてもおかしくないのでは?と思います。

泰麒も、何もできないと言いつつも、まだ麒麟としてのチカラを持っていて、王の存在を感じているっぽい?描写があって、ますます後半が楽しみでたまりません。

2019/10/28 (Mon) 17:10

縁永(ゆかりな)  

もうすぐですね。

すずさん、おはようございます。
翌月には続きが出るとわかっているのは何とも嬉しい事ですね。

どうしても朽桟の言う「背中に目があると思うほど気配に敏く、震え上がるほど残忍で腕が立つ」
という評価が引っかかるんですよね。それだけの集団が今まで無名でいたというのも。
妖魔だとこの辺りが腑に落ちるのです。
それとFSSの「カリギュラの手」のように、既存キャラより強い人物が急にポンポン出てくるのも萎えてしまうなあと。それなら妖魔の方が納得できますし。

泰麒のあの大胆な行動の理由はなんなのか、驍宗が襲撃前夜に飛ばした十五の騎兵はどうしたのか等
後半2巻も濃い内容でしょうね!

2019/10/31 (Thu) 06:32
縁永(ゆかりな)

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